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白血病の生存率

白血病は「急性白血病」と「慢性白血病」に大分され、急性は「急性骨髄性白血病(AML)」「急性リンパ性白血病(ALL)」、慢性は「慢性骨髄性白血病(CML)」「慢性リンパ性白血病(CLL)」に分けられていますので、それぞれによって予後や生存率は違います。

また、白血病といえば「不治の病」と考えられていた時期もありますが、近年では化学療法や造血幹細胞移植の進歩によって、完治することも可能となっています。

急性骨髄性白血病(AML)の生存率

1987年に設立された多施設による白血病臨床研究グループ「JALSG(日本成人白血病治療共同研究グループ)」の研究発表から転載します。

※「完全寛解」とは、骨髄の中に白血病細胞が5%以下であること。
研究
患者数
完全寛解率
生存率
AML87 188 79.87% 30.1%
AML89 232 78.5% 35.1%
AMI92 566 77.2% 33.5%
AML95 430 80.7% 44.3%
AML97 789 78.7% 40.8%
※「研究」は、抗がん剤の種類と組み合わせの違い。

急性リンパ性白血病(ALL)の生存率

小児急性リンパ性白血病の場合は、約98~99%が完全寛解し、約80%の長期生存が期待されます。

成人急性リンパ性白血病の場合は、60~80%は完全寛解するものの、長期生存率は15~35%と低くなっています。

フィラデルフィア染色体(Ph)に染色体陽性患者に対しては、従来の4剤併用療法に「イマチニブ」を加える新しい治療法によって予後の改善が見込まれるようになってきました。

慢性骨髄性白血病(CML)の生存率

初発慢性期

未治療の慢性期の患者に「グリベック(イマチニブ)」による治療を行った場合の5年生存率は89%、慢性骨髄性白血病自体に関連する死亡率は5%以下で、8年での全生存率は85%となっています。

グリベック不耐用・抵抗性の初発慢性期では、「タシグナ(ニロチニブ)」で4年の全生存率78%、「スプリセル(ダサチニブ)」で3年の全生存率87%となっています。

移行期

慢性期には極めて有効なであったグリベックも、移行期では4年生存率は45%まで低下しますが、タシグナでは1年の全生存率は79%で、スプリセルでは3年の全生存率は82%となっています。

急性期

急性期には、グリベック単独での1年全生存率は22%しかなく、またタシグナで20%前後の寛解を得たと報告されていますが、タシグナは日本での急性期に対する適応はありません。

スプリセルは急性期に対する適応がありますが、単剤での全生存中央値は骨髄球系で11.8か月、リンパ球系で5.3か月となっています。

慢性リンパ性白血病(CLL)の生存率

慢性リンパ性白血病は、日本では全白血病の2%前後で、診断時の平均年齢はおよそ70歳であり、進行の早い群と進行がゆっくりで治療しなくとも長い生存期間が期待できる2群に分けられ、無治療でも天寿を全うできる患者も少なくないため、統一的な生存率のデータは見当たりません。

未治療の場合、全体の生存率は5年生存率が60~80%、10年生存率が20~30%、20年生存率が10%といわれていますが、病期により大きな差があります。

生存率はあくまでも集計データ

白血病の生存率は、治療方法や抗がん剤の進歩などによって年々その成績は向上していますが、白血病の種類と進行状態によっては厳しい場合もあります。

しかし、もし統計上の生存率が低かったとしても生存率はあくまでも集計データですから、決して悲観的にならず、担当医やご家族、セカンドオピニオンなどあらゆる方法を模索し、冷静に強い気持ちでがん克服に挑んでください。

また、私が扱う漢方や機能性食品などには、がん克服や副作用の軽減に役立つものもありますので、ご遠慮なくご相談ください。


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