都合のいい曖昧
私は漢方と健康食品、特に機能性食品と呼ばれるものについてはプロだと自負しています。
ですから、売るためだけの誇張した宣伝文句や間違った説明を見ると気になって仕方がないのです。
私は視力障害なので、テレビを長時間見るということはほとんどないのですが、ときどきテレビに向かって突っ込みを入れることがあり、家族のひんしゅくをかってしまいます。
つい先日も「ちがうやろ!」と、思わずテレビに向かって突っ込んでしまいました。
テレビのチャンネルを変えている時に目についた健康食品のテレビショッピングの番組でした。
某クリニックの先生が、『生命活動に欠かせない大事な「酵素」』というタイトルで喋っていたので、自動的にそのチャンネルで止まったのです。
「なるほど」と思うほど一般の視聴者の方にも分かりやすく「酵素」の働き、重要性を説明していました。
そこまでで終われば「酵素」の大切さということでは大変勉強になるお話だったのですが、そのあとが言うまでも無く健康食品のPRです。
画面が変り、色んな果物や野菜・野草等が出てきて「体に大切な酵素を摂りましょう」というのですが・・・・・・、おそらくその商品は「醗酵(はっこう)食品」の類だと思います。
一般にいう「醗酵食品」(飲料)とは数十種類の野菜・果物・海藻類等を、大量の砂糖等の浸透圧を利用することによってそのエキスを抽出し(例:梅酒など)、長期発酵熟成させる事により、それら食品のもつ栄養素をそのまま体内に取り入れるというものです。
糖分を大量に使用するためカロリーも高くドロッとしていますが、大変栄養価の高い健康食品です。
しかし、「酵素」と「醗酵食品」は全く別のものなんです。
このショップ番組を視ていると、発売するメーカーは分かっていながらも、一般の人はわからないことを前提に「醗酵食品」を「酵素」と言って販売しています。
その「醗酵食品」に「酵素」が存在していたとしても、「酵素」は熱に弱く工場を出荷する時の加熱滅菌で失活します。
また、口から摂取した場合、胃酸によって「酵素」はアミノ酸に消化されてしまいます。
したがって「酵素」として外から体内に取り込むことはほぼ不可能なのです。
「酵素」は体内で合成されるものなのです。
この販売者は、「酵素」と言った方がより売上が上がるから都合よく曖昧にしているのです。
はっきり言って「正しくない情報」で商品を販売しているわけですから、「ちがうやろ!」と、また突っ込んでしまったわけです。
広い意味では同業者なわけですから、「人の振り見て我が振り直せ」ではないですが、間違ってもこのようなことはしないと改めて思いました。
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また重複しますが、「末期がんの事例」と「現在継続中の事例」もピックアップしました。
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