微量血液で大腸がん検診
2014年5月現在に確認できるデータでは、大腸がんは胃がんに次いで2番目に罹患者数が多いがんで、2015年には胃がんを抜いて罹患者数がトップになると予測されています。
また、死亡者数は「肺がん」「胃がん」に次いで3番目となっており、この要因として、大腸がんは初期症状に特徴が無いことや、検診の受診率も男性で約30%、女性では約20%と低く、発見が遅れる場合が多いことがあげられます。
大腸がんの検診方法としては「便潜血検査法」がありますが、検査で陽性となり精密検査が必要とされた人の受診率は約6割と非常に低いのです。
検診の受診率が低いのは、検便の煩わしさが要因でしょうし、精密検査は肛門から入れる内視鏡に対するストレスが大きいことが要因と考えます。
以前、「血液から30分でがん診断」で少し紹介しましたが、いよいよ本格的な実用化に向けて、まずは検便の煩わしさを解決し精度も上がった検査方法が2014年4月8日に独立行政法人国立がん研究センターからリリースされました。
わずかな血液で大腸がんを発見
がん細胞が分泌するエクソソームを簡便に検出する画期的方法を開発
エクソソームとは、様々な細胞が分泌する直径30~100nmの膜小胞のことで、中にはタンパク質やmRNA(メッセンジャーRNA)、miRNA(マイクロRNA)などの核酸が含まれ血液や尿など体液中に存在しています。
このエクソソームは分泌する細胞の種類によって特異性があり、大腸がん細胞が分泌するエクソソームに多く含まれるタンパク質の存在が明らかになり、その検出方法が確立しそうだというのがリリースの内容です。
具体的には、がん特異的な抗原に対する抗体(ドナービーズ付加抗体)と多くのエクソソームに含まれる抗原(エクソソームマーカー)に対する抗体(アクセプタービーズ付加抗体)を用います。
がん細胞から分泌されたエクソソームがあるとドナービーズが抗原を捉え、アクセプタービーズもエクソソームの抗原を捉えます。
ドナービーズは、680 nmの光源で励起されると一重項酸素(1O2)を発生し、発生した1O2はアクセプタービーズを発光させ、2種類の抗体が200 nm以内に近接する場合のみ発光を検出可能ということです。
そして、エクソソームは約100 nmの大きさであるため、がん細胞から分泌されたエクソソームだけ200 nm以内の間隔でドナービーズとアクセプタービーズ挟まれ検出が可能となるという理屈のようです。
この方法によって、大腸がんの検診受診率は確実に向上するでしょう。
また、同センターでは大腸がんだけに限らず、早期診断の難しいすい臓がんや、さらにはがん以外の疾患に対する新たな診断への応用も視野に入れていて、採血や検尿などによって検査が可能であることから将来的には集団検診への利用を推進する計画ということです。
ご自身やご家族やお知り合いが「がん克服」を模索しておられるようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。長年の経験と実績を基にお役に立てるはずです。
がん克服事例
私が実際に受けてきた相談事例をご紹介しています。
また重複しますが、「末期がんの事例」と「現在継続中の事例」もピックアップしました。