がん治療に「ミクロの決死圏」
今回は、おかしなタイトルですが「ミクロの決死圏」というSF映画を覚えている方は、わたしと同年代かそれ以上の方々だと思います。
「ミクロの決死圏」は、1966年にアメリカで公開され、日本でも当時は話題になった映画です。
当時わたしは6才でしたが、よく覚えています。
その後、現在のようにテレビでも放映されたと思いますので、テレビでこの映画をご覧になった方も多いでしょうね。
どんな映画かを簡単に説明すると、脳出血で倒れた重要な博士を助けるために、医師や軍人5名が潜行艇に乗り込み、倒れた博士が発明した「物体を細菌大に縮小する技術」で潜行艇ごと細菌大となって、頸動脈から血管内に入り色々な障害を乗り越えて脳出血を治療し、ギリギリで脱出するというSF映画です。
で、何の話をしたいかといいますと・・・
そんなSF映画での話が、これから現実になろうとしているということなんです。
それは、「ドラッグデリバリーシステム」(DDS)と言い、ナノテクノロジーを用いて抗がん剤を直接がん細胞に届けるというもので、別名は「現代のトロイの木馬」とも表現されています。
さすがに、中に入るのは「人間」ではなく「抗がん剤」です。
医療に関わる方や詳しい方は、既にご存知かも知れませんね。
現在、東京大学大学院で研究されており、2014年度から川崎臨海部で稼働する「ものづくりナノ医療イノベーションセンター」が研究拠点となる最先端の医療技術です。
開発されているのは、数十ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)というナノマシンで、この輸送体が血管の中を進み、がん細胞の核にたどり着いたナノマシンから一斉に抗がん剤が放たれ総攻撃するのです。
では、どうやってそのナノマシンががん細胞だけに到達するのでしょうか?
がん細胞付近の血管は目が粗くなっていることが知られており、またがん細胞は成長が早くそれだけ血液から栄養を取り込んでます。
そこで、ナノマシンのサイズをちょうどこの隙間に入り込むように設計すれば、がん細胞だけに届くということのようです。
また、人間の体には異物を感知するとはき出そうとする機能があるため、なるべく小さくする必要があるのですが、ただ小さすぎても大きすぎても腎臓で排出されてしまいますから、その技術は非常に高度なナノテクノロジー(超微細加工技術)なのです。
2013年6月に米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された論文によると、5年生存率が最も低い膵臓がんで、ナノマシンを使ったがん治療の可能性を証明したと、その実用化が近いことを内外に示したということです。
そして、すでに動物実験から人への応用段階に入り、現在5種類の臨床試験が実施され、再発乳がんを対象にした臨床試験は最終段階に入っており、2、3年以内の実用化を見込むとのことです。
現在の抗がん剤治療では、毒性が正常な細胞にも行き渡り副作用をもたらすという大きな欠点がありますが、このナノマシンが実用化されれば副作用は劇的に軽減されることでしょう。
ご自身やご家族やお知り合いが「がん克服」を模索しておられるようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。長年の経験と実績を基にお役に立てるはずです。
がん克服事例
私が実際に受けてきた相談事例をご紹介しています。
また重複しますが、「末期がんの事例」と「現在継続中の事例」もピックアップしました。