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悪性リンパ腫の最新治療

近年では、悪性リンパ腫の治療は目ざましく進歩しており、今後の進歩も期待されています。

「悪性リンパ腫の治療方法」の図でも紹介しています「抗CD20モノクローナル抗体を用いた抗体療法」が登場して、特に「びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫」の生存率が約20%向上しています。

リツキシマブ

この「抗CD20モノクローナル抗体を用いた抗体療法」は「リツキシマブ」といい、日本では「リツキサン」という商品名です。

治療方法としては、これまでの標準治療とされていた「エンドキサン」「アドリアシン」「オンコビン」「プレドニン」の4剤の併用療法(CHOP療法)に「リツキシマブ」を併用します。(R-CHOP療法)

現在、進行期の標準治療はリツキサンを併用したR-CHOP療法になっています。

また、ろ胞性リンパ腫など低悪性度のリンパ腫は進行が遅いため、早くから毒性のある抗がん剤を使うより、経過を観察しながら待機する待機療法も選択肢の1つとされていますが、低悪性度の場合もリツキサンの登場で治療効果がかなり上がっているようです。

新しい抗がん剤

リツキサンの他に新しい抗がん剤として「フルダラ(フルダラビン)」「トレアキシン(ベンダムスチン塩酸塩)」「ゼヴァリン(イブリツモマブチウキセタン)」などがあります。

フルダラは経口の抗がん薬で、脱毛や吐き気がなくリツキサンと併用すると高い奏効率が期待できるといわれています。

また、トレアキシンは腫瘍を縮小する効果が強く、国内で行われた臨床試験でも再発までの期間の延長が確認され期待が集まっていますが、吐き気の副作用が強いため制吐剤との併用が必要となります。

その他に臨床試験中の薬剤として、「ゼヴァリン」やCD22の抗体に抗がん薬を付けた「イノツズマブオゾガマイシン(一般名)」など、かなり効果が期待されている新薬もあります。

ゼヴァリンは、リツキシマブと同じようにCD20を標的とする抗体ですが、放射線同位元素であるイットリウム90を抱えており、がん細胞を放射線によって攻撃します。

しかし、ゼヴァリンは高い効果が期待できる反面、放射性物質を扱うため限られた医療施設でしか受けることができないのが難点となっています。


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