皮膚がんのステージ分類
皮膚がんについて当サイトでは、以下の4つの皮膚がんを採り上げていますので、ステージ分類もそれぞれについて解説します。
- 基底細胞がん
- 有棘(ゆうきょく)細胞がん
- 悪性黒色腫(メラノーマ)
- パージェット病
基底細胞がんと有棘細胞がんのステージ分類
基底細胞がんと有棘細胞がんのステージ分類は以下の3点の進行度の組み合わせによって決められます。
- がんの大きさと広がり「進行度(T)」
- リンパ節に転移しているか「リンパ節転移の広がり(N)」
- 離れた別の臓器への転移があるかどうか「遠隔転移(M)」
そして、その組み合わせによりがんのステージは、0、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの5つに分けられています。
0が最も早期のがん、Ⅳが最も進行したがんです。
- ステージ0
- がん細胞が出現しているものの表皮の中にとどまっている「表皮内がん」で、リンパ節転移も離れた臓器への転移もない。
- ステージⅠ
- 腫瘍の大きさが2㎝以下で真皮だけか、または真皮から皮下組織の中にとどまっている。
- ステージⅡ
- 腫瘍の大きさは2㎝を超えるが、真皮、または真皮から皮下組織の中にとどまっている。
- ステージⅢ
- 腫瘍の大きさにかかわらず腫瘍の深さが皮下組織を越えて、筋肉や軟骨や骨などにおよんでいる。
あるいは、腫瘍の大きさにかかわらず所属リンパ節に転移がある。 - ステージⅣ
- 所属リンパ節を越えて遠隔転移をしている。
基底細胞がんと有棘細胞がんのステージ分類 | N0 | N1 | M1 | |
リンパ節転移なし | リンパ節に転移を認める | 遠隔転移を認める | ||
Tis | 腫瘍細胞が表皮内に限局 | 0 | ||
T1 | 腫瘍の最大径が2㎝以下 | Ⅰ | Ⅲ | Ⅳ |
T2 | 腫瘍の最大径が2㎝をこえ、5㎝以下 | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ |
T3 | 腫瘍の最大径が5㎝をこえる | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ |
T4 | 深部皮膚外組織に浸潤する腫瘍 | Ⅲ | Ⅲ | Ⅳ |
悪性黒色腫(メラノーマ)のステージ分類
悪性黒色腫(メラノーマ)のステージ分類も以下の3点の進行度の組み合わせによって決められます。
- がんの大きさと広がり「進行度(T)」
- リンパ節に転移しているか「リンパ節転移の広がり(N)」
- 離れた別の臓器への転移があるかどうか「遠隔転移(M)」
そして、その組み合わせによりステージは、0、ⅠA、ⅠB、ⅡA、ⅡB、ⅡC、Ⅲ、Ⅳの8つに分けられています。
0が最も早期のがん、Ⅳが最も進行したがんです。
- ステージ0
- がん細胞が出現しているものの表皮の中にとどまっている「表皮内がん」で、リンパ節転移も離れた臓器への転移もない。
- ステージⅠ(A,B)
- 初発部位にのみ腫瘍が認められ腫瘍の厚さが1㎜以下のもの、または厚さが1㎜を超えていても腫瘍表面の潰瘍がなくて2㎜以下のもの。転移は認められない。
- ステージⅡ(A,B,C)
- 初発部位にのみ腫瘍が認められ、腫瘍の厚さが1㎜をこえ2㎜以下で潰瘍を伴うもの。あるいは、潰瘍のあるなしにかかわらず、2㎜を超えるもの。転移は認められない。
- ステージⅢ
- 所属リンパ節に転移が認められる。あるいは、初発部位の周囲、または初発部位から所属リンパ節までの間に皮膚転移や皮下転移が認められる。
- ステージⅣ
- 所属リンパ節を越えて遠隔転移をしている。
悪性黒色腫(メラノーマ)のステージ分類 | N0 | N1~3 | M1 | |
リンパ節転移なし | リンパ節に転移を認める | 遠隔転移を認める | ||
Tis | 腫瘍細胞が表皮内に限局 | 0 | ||
T1a | 腫瘍の厚さ1㎜以下で、 潰瘍のないもの |
ⅠA | Ⅲ | Ⅳ | T1b | 腫瘍の厚さ1㎜以下で、 潰瘍のあるもの |
ⅠB | Ⅲ | Ⅳ |
T2a | 腫瘍の厚さが1㎜をこえ2㎜以下で、 潰瘍のないもの |
ⅠB | Ⅲ | Ⅳ |
T2b | 腫瘍の厚さが1㎜をこえ2㎜以下で、 潰瘍のあるもの |
ⅡA | Ⅲ | Ⅳ |
T3a | 腫瘍の厚さが2㎜をこえ4㎜以下で、 潰瘍のないもの |
ⅡA | Ⅲ | Ⅳ |
T3b | 腫瘍の厚さが2㎜をこえ4㎜以下で、 潰瘍のあるもの |
ⅡB | Ⅲ | Ⅳ |
T4a | 腫瘍の厚さが2㎜をこえ、あるいは、皮下脂肪織のレベルに浸潤し、潰瘍のないもの | ⅡB | Ⅲ | Ⅳ |
T4b | 腫瘍の厚さが2㎜をこえ、あるいは、皮下脂肪織のレベルに浸潤し、潰瘍のあるもの | ⅡC | Ⅲ | Ⅳ |
パージェット病のステージ分類
パージェット病については、発症の多い「乳房外パージェット病」のTMN分類を掲載します。
乳房外パージェット病のステージ分類は、ⅠA、ⅠB、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの5つに分けられています。
ⅠAが最も早期のがん、Ⅳが最も進行したがんです。
乳房外パージェット病のステージ分類 | N0 | N1 | M1 | |
リンパ節転移なし | リンパ節に転移を認める | 遠隔転移を認める | ||
T1 | 腫瘍の大きさにかかわらず、表皮内癌の状態 | ⅠA | Ⅲ | Ⅳ |
T2 | 腫瘍が基底膜を破って真皮内に微小浸潤 | ⅠB | Ⅲ | Ⅳ |
T3 | 結節性の浸潤癌で脈管浸襲を伴わない | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ |
T4 | 結節性の浸潤癌で脈管浸襲を伴う | Ⅲ | Ⅲ | Ⅳ |
ご自身やご家族やお知り合いが「がん克服」を模索しておられるようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。長年の経験と実績を基にお役に立てるはずです。
がん克服事例
私が実際に受けてきた相談事例をご紹介しています。
また重複しますが、「末期がんの事例」と「現在継続中の事例」もピックアップしました。