前立腺がんの最新治療
前立腺がんの標準的な治療については「前立腺がんの治療方法」で解説していますが、この項では前立腺がんの最新治療をいくつか紹介いたします。
陽子線治療と重粒子線治療
前立腺がんの放射線治療は「密封小線源療法」や「3次元原体照射」、「IMRT(強度変調放射線療法)」などがありますが、「陽子線治療」や「重粒子線治療」が行われる施設が少しずつ増えてきています。
放射線は大きく以下のように分けられます。
- 光子線
- X(エックス)線
- γ(ガンマ)線
- 粒子線
- 陽子線
- 中性子線
- 重粒子線(炭素イオン)
この「粒子線」のうち、日本では「陽子線」と「重粒子線」を使った放射線治療が一部の施設で行われています。
陽子線や重粒子線は、そのエネルギーが、ある一定の深さで急激にピークとなり、そのままエネルギーが停止する(ブラッグピーク)という特徴があり、
- 正常細胞を傷つけることが少ない
- 手術ができない部位でも照射が可能
- 体力の無い高齢者にもやさしい治療
- 外来で照射が受けられる
などのメリットがあります。
しかし、まだデータが少なく、また一部の施設のみ高度先進医療として認められているだけという状況で、約300万円の自己負担が必要です。
高熱で焼く「HIFU」
HIFUとは「高密度焦点式超音波療法」のことで、強力な超音波を使って65℃以上の高熱をピンポイントで発生させ前立腺がんを凝固壊死させる治療ですが、まだ健康保険の適用はなく臨床研究中の治療方法です。
HIFU(高密度焦点式超音波療法)は、患者に腰椎麻酔をし、肛門から直腸にHIFUの超音波プローブ(端子)を挿入してモニターで超音波画像を見ながらがん部分をピンポイントで焼灼します。
HIFUの治療時間は約70分程度で、術後3~4時間後には水分の摂取や歩行が可能となり、患者の体に負担が少ない治療ですが、尿道狭窄や尿道直腸瘻、勃起障害などの合併症が起ることがあります。
HIFUの適応条件は以下の通りです。
- ステージ(病期)T1~T2で他に転移がない
- 治療前の最高PSA値が200ng/mlまで
- 前立腺の大きさが40g以下
- 前立腺内に1㎝以上の結石がない
その他
前立腺がんの治療方法としてその他には「前立腺がんワクチン療法(免疫療法)」や「遺伝子治療」などがありますが、まだ臨床試験の段階です。
ご自身やご家族やお知り合いが「がん克服」を模索しておられるようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。長年の経験と実績を基にお役に立てるはずです。
がん克服事例
私が実際に受けてきた相談事例をご紹介しています。
また重複しますが、「末期がんの事例」と「現在継続中の事例」もピックアップしました。
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