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相談の多い不妊症

当サイト「がん克服生還への道」は、がんに関するご相談を通じてお役に立ちたいという想いで公開していますが、私が勤務する「漢方くるみ薬局」で多い相談のひとつに「不妊症」があります。

不妊症とがんの関係で言うと「子宮頸がんの予防接種で不妊症になるリスクが高くなるのでは?」という意見があります。

ワクチンとは「死菌」を体内に摂取する場合が多く、その効果を発揮させるために「アジュバント」という補助剤が添加されていますが、子宮頸がん予防ワクチンに使用されているアジュバントが不妊症リスクを高めるということのようです。

しかし、この件は一部の否定派の先走った解釈だったと私は考えています。

不妊症とは

不妊症の一般的な定義は、
「避妊をせずに定期的な性生活を送るも2年以上にわたって妊娠に至れない状態」のことです。

原因は、男性女性とも何らかの障害や体質によることが多いのですが、原因不明の場合もあります。

しかしながら、日本における不妊症の原因の半数以上は「高齢」が占めているのです。

一般的に一番子供を産みやすい体は25歳前後といわれていますが、現状は、女性が第1子を出産する平均年齢は30歳を超え、生涯独身で過ごす人の比率「生涯未婚率」は男性20.14%、女性10.61%に達しています。

これに対し、政府は閣議で2013年版の少子化社会対策白書を決議し、これまで手薄だった結婚、妊娠、出産を支援する政策が必要と提起し、情報提供や地域医療体制の整備などを進める方向を示しました。

実際には、30歳を越して第1子を出産するのがあたりまえの時代となり、40歳前後でも出産する方も増えているのです。

不妊症は社会問題

女性の第1子出産時期が高齢化する原因のひとつは、女性の社会進出機会が平等化してきたことでしょう。

世界的にみて、先進国の中では女性の社会進出が遅れていた日本としては大変良い事でしょう。

しかし、機会が平等でも女性と男性では生物学的な役割が違うことに対しての環境整備が追い付いていないわけです。

したがって、女性の晩婚化が進み必然的に第1子出産時期が高齢化するということになっています。

また、長引く不況による経済的な問題も大きく、20代前半で結婚しても収入が低いために子育てを不安視することによって、第1子出産時期が高齢化してしまうことも多いようです。

相談に来られる方の傾向として、「35歳をすぎても簡単に妊娠、出産できる」と気楽に考えられている方が多いです。

テレビやネットや雑誌などでそのような情報が多いからか「私でもできるんだ」と思うのでしょうか。

しかし、実際にはそんなに甘くなく、妊娠されていないかたの方がはるかに多いのです。

平均寿命が延びたとはいえ、人間35歳を過ぎると体力の衰えが目立ち始め、特に女性の場合38歳を過ぎると妊娠、出産はかなり難しくなり、妊娠しても胎児に影響を与えるリスクも高くなります。

また、婦人科で不妊治療するごとに腎系のエネルギーが落ち妊娠しにくくなることもあるのです。

さらに、子宮頸がんに罹る確率は30代40代とピークを迎えますので、第1子出産時期が高齢化することは大きな社会問題だと私は考えています。


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