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未承認薬の費用負担軽減

抗がん剤などの薬が保険適用となるには一般的に長い時間がかかります。

新しい薬は、最終的に厚生労働省の薬事承認を受けるわけですが、その前に患者に実際に薬を投与して効果を確かめる「治験」を実施します。

ただ、治験から薬事承認までには平均的に5年前後かかるのです。

効果と安全性がほぼ確定していても治験の間は「未承認薬」です。

患者がこの治験に参加すると、その他の保険治療の費用は保険適用となる「混合診療」の対象となり、未承認薬分だけ全額負担すればよいことになっています。

しかし現在は、治験に参加しない患者が未承認薬を使う場合は薬以外の治療にも保険が使えず全額負担となっており、治療費があまりにも高額になり過ぎて、効果が期待できても諦める患者が多いという現状です。

以前から、この少し矛盾した制度に対して改善の意見が多かったのですが、ようやく政府が6月にまとめる成長戦略に混合診療の拡大を盛り込むことになりました。

具体的には、2015年度からは治験に参加しない患者でも、他に治療法がない場合や重篤な場合は混合診療を認めて治療の選択肢を増やせるようにするとのことです。

がんでは、治療が難しい「膵臓がん」や「食道がん」などへの抗がん剤で、まず混合診療の適用を広げる見通しだということです。

当サイトでも紹介した「テロメライシン」などの未承認薬が利用しやすくなるわけです。

また、この新制度にはもうひとつの目的があります。

それは、膨張する医療費の抑制で、混合診療の拡大と同時に、2016年度をメドに高額な抗がん剤の公的保険への適用を厳しく審査する方針とし、効果に比べて過大な費用がかかる薬は保険適用されなくなります。

どちらにしても、この制度が一人でも多くの患者さんに役立つことを期待しますね。


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