ナノカプセルDDS(ドラッグデリバリーシステム)実用化が加速
がん治療は、手術では体に負担の少ない腹腔鏡などの切開しない方法が進み、その技術を補うロボット手術も普及してきました。
また、抗がん剤では分子標的治療薬が相次いで開発されており、一部のがんでは副作用が少なく効果をあげているものもあります。
さらに、放射線治療でもピンポイントにがん細胞を捉える技術や呼吸などで動くがん細胞を追尾する技術の進歩がみられます。
このように、がん治療は日々進歩しているわけですが、今回は抗がん剤治療で今後期待の持てる新しい技術「抗がん薬内包高分子ミセルのドラッグ・デリバリー・システム」が実用化に向けて動き出したニュースをお伝えします。
2015年9月5日の日本経済新聞電子版の記事より抜粋。
日本化薬は抗がん剤をナノレベルの極小カプセルに包み、がん細胞だけに送り届ける新技術を使った新薬の承認を今年度内に厚生労働省に申請する。がん細胞に狙いを定めて攻撃するカプセル剤の研究は各社が進めているが、承認申請するのは珍しい。抗がん剤はがん細胞以外の正常組織も攻撃するため副作用が強いが、標的を絞った新薬は患者の負担軽減につながりそうだ。
当サイトでもこれまで「がん治療に「ミクロの決死圏」」、「副作用を抑える新DDS(ドラッグデリバリーシステム)」で、その内容と進行状況をお伝えしてきましたが、ようやく日本化薬が2015年度中に承認申請する準備ができたということです。
抗がん剤のDDS(ドラッグデリバリーシステム)はがん細胞に届くまでは作用しないため、正常組織には作用せず副作用が大幅に軽減され、的確な投与が実現できます。
また、標的となる分子が発現しないタイプのがんには効かない分子標的治療薬とも違い、効果が実証された抗がん剤を選択できるようになるでしょう。
日本化薬のDDSの仕組み
今回、承認申請を予定する日本化薬のDDS(ドラッグデリバリーシステム)は、抗がん剤を20~100nm(ナノメートル:1ナノメートルは10億分の1メートル)の極小カプセルで血管からがん細胞に運び、その後一斉に抗がん剤が放たれ総攻撃します。
では、なぜそのナノカプセルががん細胞だけに到達するのでしょうか?
がん細胞付近の血管は目が粗くなっていることが知られており、またがん細胞は成長が早くそれだけ血液から栄養を取り込んでます。
そこで、ナノカプセルのサイズをちょうどこの隙間に入り込むように設計すれば、がん細胞だけに届くということです。
今回申請される予定の新薬は、国内で約60人のがん患者を対象にした臨床試験で既存の抗がん剤と比較して副作用の少なさや有効性を示す結果が得られた「パクリタキセル」という薬をカプセルに包み込んだ新薬とこと。
パクリタキセルは、乳がんや肺がん、卵巣がんや頭頸部がんなどの治療に用いられています。
早い臨床での実用化が期待されます。
ご自身やご家族やお知り合いが「がん克服」を模索しておられるようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。長年の経験と実績を基にお役に立てるはずです。
がん克服事例
私が実際に受けてきた相談事例をご紹介しています。
また重複しますが、「末期がんの事例」と「現在継続中の事例」もピックアップしました。