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スパコン「京」で抗がん剤作製

数年前に前の政権で「2番目じゃダメなんですか?」という流行語の対象となったのが、

あの理研(独立行政法人理化学研究所)計算科学研究機構のスーパーコンピューター「京」です。

スパコン「京」で抗がん剤の候補物質を作製することに成功

2014年6月に発表された報道によると、世界のスーパーコンピューターの性能ランキング第4位だそうです。

ちなみに、第1位は中国の「天河2」で計算速度は京の3.2倍の毎秒3京3,862兆回(「京」は1兆の1万倍)で、第2位はアメリカの「タイタン」だとのことです。

技術先進国の日本としては、やはり第1位を獲って欲しいものだと勝手に思っています。

こんな天文学的な計算能力を持ったスーパーコンピューターは、気象や地震による津波などの影響、脳神経の働きなど膨大な計算が必要なシュミレーションなどに利用されています。

そして2014年8月に、

東京大と富士通、製薬会社の興和は、理化学研究所の世界最速級のスーパーコンピューター「京けい」(神戸市)を活用して、抗がん剤の候補物質を作製することに成功した。

というリリースがありました。

これまでの創薬技術では、試薬会社などが提供する市販の化合物ライブラリなどから、目的とする低分子化合物を探索して新規の化合物構造に改変する必要があります。

しかし、その改変に適した低分子化合物が必ずしも得られるとは限らないという課題があり、新しい薬ができるまでには時間がかかっていました。

この共同研究では、標的タンパク質に対してコンピュータ上で多様な化合物構造を設計して、それらの阻害活性を予測して絞り込むため、阻害活性の高い医薬候補化合物を短時間に高い確率で創出することができるようになったということです。

今回の発表では、

コンピュータ上で設計した多様な化合物構造の中から、標的タンパク質との相互作用により安定な複合体を形成すると考えられる22の化合物構造を選択し、そのうち8化合物構造を合成し、実験による阻害活性測定を行った結果、そのうちの1低分子化合物が、目標とする阻害活性を示し、新規活性化合物を創出することに成功しました。
12.5%という、従来の低分子創薬技術と比べて非常に高い確率で、新規活性化合物を創出したことになります。

と、成果を評価しています。

今後も、がんを撃退しかつ副作用の無い抗がん剤が開発されることを期待します。

また、2032年を目標に今の100倍の処理能力を持つスーパーコンピュータの開発に着手しているそうですが、ぜひ世界1を目指してほしいものですね。


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