甲状腺がんのステージ分類
甲状腺がんには以下の5種類があり、それぞれの進行度や年齢によってステージ分類が違います。
- 腺がん(約90%)
- 乳頭がん(約80%)
- 濾胞がん(約10%)
- 髄様がん(約5%)
- 悪性リンパ腫
- 未分化がん(約5%)
腺がん(乳頭がん・濾胞がん)のステージ分類
他のがんでは若い人の方が進行が速いことが多いのですが、甲状腺がんは逆に若い人の方が性質が良く、45歳以上だと性質が悪くなるため、ステージ分類も45歳で分かれています。
TMN分類では、以下の3点の組み合わせでステージを分類しています。
- がんの大きさと広がり「進行度(T)」
- リンパ節に転移しているか「リンパ節転移の広がり(N)」
- 離れた別の臓器への転移があるかどうか「遠隔転移(M)」
【T分類】
TX | 原発腫瘍の評価が不可能 |
T0 | 原発腫瘍を認めない |
T1 | 甲状腺に限局し最大径が2cm以下の腫瘍 |
T2 | 甲状腺に限局し最大径が2cmをこえ4cm以下の腫瘍 |
T3 | 甲状腺に限局し最大径が4cmをこえる腫瘍。または甲状腺外への軽度な進展を伴う腫瘍。(例えば、胸骨甲状筋または甲状腺周囲軟部組織への進展) |
T4a | 甲状腺の被膜をこえて進展し、皮下軟部組織、喉頭、気管、食道、反回神経のいずれかに浸潤する腫瘍 |
T4b | 椎前筋膜、縦隔内の血管に浸潤する腫瘍、または頸動脈を全周性に取り囲む腫瘍 |
T4a* | (未分化癌のみ)腫瘍の大きさに関係なく、甲状腺に限局する腫瘍 |
T4b* | (未分化癌のみ)腫瘍の大きさに関係なく、甲状腺の被膜を超えて進展する腫瘍 |
【N分類】
NX | 所属リンパ節転移の評価が不可能 |
N0 | 所属リンパ節転移なし |
N1 | 所属リンパ節転移あり |
N1a | 気管前および気管傍リンパ節への転移 |
N1b | 気管前および気管傍リンパ節への転移以外の同側頸部リンパ節、両側または対側の頸部リンパ節または上縦隔リンパ節への転移 |
【M分類】
MX | 遠隔転移の評価が不可能 |
M0 | 遠隔転移なし |
M1 | 遠隔転移あり |
乳頭癌または濾胞癌のステージ分類<45歳未満>
乳頭癌または濾胞癌のステージ分類<45歳未満> | N0 | N1 | M1 |
リンパ節転移なし | リンパ節に転移を認める | 遠隔転移を認める | |
T1,T2,T3,T4 | Ⅰ | Ⅰ | Ⅱ |
乳頭癌または濾胞癌、および髄様癌のステージ分類<45歳以上>
乳頭癌または濾胞癌、および髄様癌のステージ分類<45歳以上> | N0 | N1a | N1b | M1 | |
リンパ節転移なし | 頸部中央区域リンパ節に転移あり | 一側もしくは両側・対側の頸部外側区域リンパ節、または上縦隔リンパ節に転移あり | 遠隔転移を認める | ||
T1 | 甲状腺に限局し最大径が2cm以下 | Ⅰ | Ⅲ | ⅣA | ⅣC |
T2 | 甲状腺に限局し最大径が2cmをこえ4cm以下の腫瘍 | Ⅱ | Ⅲ | ⅣA | ⅣC |
T3 | 甲状腺に限局し最大径が4cmを越える腫瘍、または大きさを問わず甲状腺の被膜外に微小浸潤する腫瘍 | Ⅲ | Ⅲ | ⅣA | ⅣC |
T4a | 甲状腺の被膜をこえて進展し皮下軟部組織、喉頭、気管、食道、反回神経のいずれかに浸潤する腫瘍 | ⅣA | ⅣA | ⅣA | ⅣC |
T4b | 椎前筋膜、縦隔内の血管に浸潤する腫瘍、または頸動脈を全周性に取り囲む腫瘍 | ⅣB | ⅣB | ⅣB | ⅣC |
未分化がんのステージ分類
未分化がんのステージ分類 | N0 | N1a | N1b | M1 | |
リンパ節転移なし | 頸部中央区域リンパ節に転移あり | 一側もしくは両側・対側の頸部外側区域リンパ節、または上縦隔リンパ節に転移あり | 遠隔転移を認める | ||
T4a | 腫瘍の大きさに関係なく甲状腺に限局する腫瘍 | ⅣA | ⅣA | ⅣA | ⅣC | T4b | 腫瘍の大きさに関係なく甲状腺の被膜を超えて進展する腫瘍 | ⅣB | ⅣB | ⅣB | ⅣC |
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