胃がんの再発予防
まず「がんの再発」とは、手術などの治療では結果的にうまく取りきれておらず、発見できずに残っていたがん細胞が再び大きくなり、同じがんが出現することです。
また、別の場所にがんが見つかる「転移」も含めて再発といいます。
転移には、原発巣からがん細胞が血管やリンパに入り込み、その流れに乗って別の臓器や器官に移動し大きくなる「血行性転移」や「リンパ行性転移」と、がん細胞が臓器の壁を突き破って広がる「播種性(はしゅせい)転移」があります。
胃がんの再発予防として、D2以上のリンパ節郭清(胃の周囲にある第1群リンパ節と胃から少し離れた第2群リンパ節を切除)を受け、がんが胃の筋層にまで達していない(T1)を除くステージⅡ、ⅢA,ⅢB 症例では術後補助化学療法が標準治療となっています。
このような再発が確認された時点からは、やはり再び病院での治療が必要となります。
しかし、転移の場合は場所が限られていて腫瘍をきれいに取り除けるようであれば再手術ができる可能性もありますが、胃から遠くまで広がって発見された場合には、治療は化学療法(抗がん剤治療)や放射線療法、そして対症療法となります。
胃がんの再発率
がんの生存率については、公益財団法人がん研究振興財団の「がんの統計」などでステージ別の5年生存率などの統計が公表されていますが、再発率については統一したデータは見当たりません。
しかし、5年生存率の見方を変えれば再発率の目安と考えられます。
公益財団法人がん研究振興財団の「がんの統計 ’14」掲載の「全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年生存率」によると、胃がんのステージ別5年生存率1)は以下の通りです。
胃がんのステージ | 全症例 男女計 | 手術症例のみ 男女計 | ||
---|---|---|---|---|
5年実測生存率2) | 5年相対生存率3) | 5年実測生存率 | 5年相対生存率 | |
ステージⅠ | 87.2% | 97.8% | 88.3% | 100.0% |
ステージⅡ | 59.5% | 66.7% | 60.5% | 69.4% |
ステージⅢ | 43.8% | 49.1% | 44.8% | 50.7% |
ステージⅣ | 7.2% | 7.9% | 14.9% | 16.9% |
計 | 66.2% | 74.1% | 75.2% | 85.7% |
- 5年生存率とは、治療を受けた人のうち5年後に生存している比率
- 生存率には「実測生存率」と「相対生存率」があり、実測生存率とは、死因に関係なく全ての死亡を計算に含めた生存率で、この中にはがん以外の死因による死亡も含まれます。
- 相対生存率とは、対象者と同じ特性(性、年齢、暦年、地域など)をもつ一般集団の期待生存確率より期待生存率を算出して、実測生存率をそれで除することによって、その影響を補正する方法です。
実測生存率、相対生存率ともに死因はがんだけとは限りませんから、大雑把ではありますが100%から生存率を引いた値が再発率に近いと推測できます。
胃がんの再発予防
この記事にたどり着いた多くの方は、ご自身やご家族、ご友人などが胃がんの治療を終えられ、再発がないことを願うお気持ちでご覧になっていることと思います。
運悪く胃がんを発症し辛い治療を受けられて、もう二度とがんになりたくない、なってほしくないと痛感されているでしょう。
前記のように、統計では進行度によって再発のリスクは大きく違っています。
しかし、あきらめないでください!
患者さんがどのステージであったとしても、まずは立ち向かう気持ちをご自身もまわりも強く持ってください。
そこからスタートです。
がんが発症したのは、がんが出来やすく住みやすい体になってしまっていたからで、体を根本的に変えない限り、再発のリスクは統計通りでしょう。
しかし、逆にがんの住みにくい体にしていけば、再発のリスクは小さくなります。
そためには、体全体で治していく力、恒常性を活かし、身体全体の潤いが必須なのです。
具体的には、患者さん個々の状況によって様々ですので、一度お気軽にご相談してみてください。
ご自身やご家族やお知り合いが「がん克服」を模索しておられるようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。長年の経験と実績を基にお役に立てるはずです。
がん克服事例
私が実際に受けてきた相談事例をご紹介しています。
また重複しますが、「末期がんの事例」と「現在継続中の事例」もピックアップしました。