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スキルス性胃がん 余命6ヶ月

近年では、がんでも早期や初期に発見されたり、がんの性質によっては進行がんでも治る可能性が高くなりました。

しかし、胃がんの一種の「スキルス性胃がん」は、まだ難しいがんのひとつです。

「スキルス」の語源は、ギリシャ語の「skirrhos」で、線維が固まり硬い「硬性がん」のことを言います。

スキルス性胃がんは間質に発生し、正常組織に染み渡るようにがんが浸潤して胃のかべが全体的に硬くなっていきます。

そして、スキルス性胃がんが難しいのは、初期の自覚症状がほとんどなく、一般的な内視鏡検査などでは胃の表面の異常が発見されにくく、発見されたときにはかなり進行していることが多く、また腹膜や肝臓、リンパ節などに転移しやすいがんだというところです。

ですから、発見されたときにはすでに手遅れ状態というケースも多々あります。

このようなことから、スキルス性胃がんは胃がんの中でも最も悪性度が高く、また再発度も高いがんだと認識されています。

説明が長くなりましたが、

私が相談を受けた55歳の男性がスキルス性胃がんでした。

その方は、近所の主治医に「胃がんの疑いがある」ということで、大阪のがんでは有名な病院を紹介されました。

その有名病院で検査を受けてすぐ、検査結果を待たずに来店されたのでした。

その時点で、がんの可能性が高いと思われていたようで「何かがんに良いものはないですか?」と言われました。

また、「検査の結果が出るのは、1か月後。」と言われたのを聞いて、「なんでそんなに遅いの?」と思いました。

がんの疑いがあるということで紹介された患者さんですから優先すべきですし、がんの状況によっては根治のための治療時機を逸してしまうことも考えられるわけです。

がんで有名な病院とは言え、というか大きな病院だとなかなか融通が利かない場合も多っかったり、常勤病理医不足なども問題となっています。

とにかく、状況がよくわからないままでしたが、その方の切実な想いは強く感じていましたので、ある機能性食品と酵素食品を1ヶ月間、多めに飲んでもらうようにしました。

1ヵ月後、検査結果がわかったと連絡がありました。

「スキルス性胃がんで余命6ヶ月。」・・・直接、ご本人の口から聞かされました。

しかしその時、何と言っていいかわからず沈黙している私に、ご本人から驚くほど前向きな言葉が出てきたのです。

「検査結果を聞いてから何か飲もうと思っていたが、1ヶ月早く飲んでいてよかった。」

「余命6ヶ月ということは6ヶ月間がんと戦える、ひょっとしたら何かが起こるかも。」

たぶん、検査結果を待つ1ヶ月間も結果を聞いた後も、精神的には私などが想像できないほど壮絶な葛藤と恐怖があったことでしょう。

しかし、このような言葉が出てくるという心の強さに驚くとともに感動してしまいました。

それから、病院の治療・抗がん剤と機能性食品の併用による、がんとの闘いが始まったのです。

治療は通院による抗がん剤治療が主で、通院と来店を続けられました。

抗がん剤の副作用も始めは軽かったようですが、かなりしんどいときもあったようで、根性で治療を続けられました。

私は家族の方とも連絡をとり合い、生活でできることをアドバイスしたり、ある時は奥様の思いをご本人に伝えたり、ご本人が直接奥様に伝えるのが恥ずかしい感謝の気持ちなどを伝えたりすることもありました。

もう、私も家族の一員のように一緒に戦っている想いでした。

そうこうしているうちに、あっという間に6ヶ月が経過たのですが、誰もそのことはふれずに時は通り過ぎて行きました。

来店されると、調子の良いときは家族の話やお酒の話などをしたり、調子が悪いときは口数少ないのですが、そんな時でも、何度も口にされる言葉がありました。

「充実した日々が送れてるな~!」

それは口から自然に出ているように感じる時もあり、またご自分に言い聞かせているように感じる時ももありました。

がんと向き合い懸命にに戦っている姿を見たときはいつも、「スキルスじゃなくて、普通の胃がんだったらかなりの確率でよくなっていたやろうな~」と思っていました。

一旦は腫瘍マーカーも下がりよくなって行くのかなぁと思われた時期もありましたが、約2年の闘病生活でした。

ご主人が旅立たれた後、ご挨拶にお伺いしたとき奥様がおっしゃっていました。

「早い人生でしたが、本人はがん治療を仕事のように一生懸命取り組んでいました。」

「仕事好きな人やから自分で計画を組み立てて、この2年間は好きなように人生を歩いていた感じでした。」

「悔いはないと言ったら嘘になりますが、私たちが思うほどじゃなかったんじゃないでしょうか。」と・・・。

50才を過ぎたら定期検診にがん検診をぜひ受けて欲しいということと、医療機関での早い検査対応や臨機応変な対応がもっと進歩することを改めて願う気持ちになった事例です。


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