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悪性リンパ腫の治療方法

悪性リンパ腫の治療方法としては、主に抗がん剤を用いる「化学療法」と「放射線療法」が行われ、手術が行われることはあまりありません。

また、治りにくいリンパ腫や治療の効果が十分でない場合には、抗CD20モノクローナル抗体を用いた「抗体療法」や「造血幹細胞移植」が行われる場合があります。

悪性リンパ腫の治療方法は、病型や病期と全身の状態を考慮して決められます。

以下に「独立行政法人国立がん研究センター」のがん情報サービスを参考にフローを作成しました。

ホジキンリンパ腫の病型・病期と治療

ホジキンリンパ腫の病型・病期と治療

非ホジキンリンパ腫の病型・病期と治療

非ホジキンリンパ腫の病型・病期と治療

上の図の病期分類については、悪性リンパ腫のステージ分類を参照してください。

放射線治療

放射線治療とは、高エネルギーのX線でがん細胞を傷害する治療方法で、がんを小さくする効果があります。

病巣が1つで小さい場合や早期のリンパ腫などに単独で行ったり、短期間の抗がん剤治療と併用して行う場合があります。

放射線治療の副作用

放射線治療の副作用としては、

  • 主に放射線が照射された部位に起こる皮膚炎・粘膜炎など
  • 照射部位によらず起こるだるさ、吐き気・嘔吐、食欲低下、白血球減少など

がありますが、個人によってその程度は異なります。

症状が強い場合は症状を和らげる治療をしますが、通常は治療後2〜4週くらいで改善します。

薬物療法(抗がん剤治療)

薬物療法とは、抗がん剤を注射や点滴、または内服で投与してがん細胞を傷つけたり増殖を抑制させたりする治療法です。

この治療法は、がんのある部分だけでなく検査ではわからなかった小さな病変にも効果が期待でき、通常は複数の抗がん剤を組み合わせて何回か繰り返して治療が行われます。

抗がん剤の副作用

抗がん剤はがん細胞だけでなく、正常な細胞にも影響を与えてしまいます。

髪の毛、口や消化管などの粘膜、骨髄など新陳代謝の盛んな細胞が影響を受けやすく、その結果、脱毛や口内炎、下痢や吐き気などが起こったり、白血球や血小板の数が少なくなる場合があります。

また、末梢神経障害や肝臓や腎臓に障害が出る場合もあります。

通常は副作用の程度をみてから次回の投与を決定しますが、副作用が著しい場合は治療薬の変更や治療の休止、中断などを検討する場合もあります。

抗体療法

免疫反応が起こるきっかけとなる物質「抗原」を認識する「抗体」を体の外から薬として投与することによって治療を行うのが「抗体療法」です。

リンパ球のうち B細胞でみられるCD20という細胞の特質を示す抗原を認識して治療効果を発揮する「リツキシマブ」は、CD20抗原陽性のB細胞性リンパ腫に効果があり、通常は抗がん剤治療と組み合わせて行われます。

また、抗体にアイソトープを結合したものも開発され、海外では再発や難治性の低悪性群リンパ腫に効果が認められています。

造血幹細胞移植

標準的な抗がん剤治療や放射線治療を行っても再発する可能性が高いと判断された場合は、さらに大量の抗がん剤投与や放射線治療を行います。

その際、治療が強力であるために血液をつくる能力も破壊されてしまうので、血液を正常な状態に回復させるために、患者さん自身や患者さん以外の提供者(ドナー)からの血液のもととなる細胞「造血幹細胞」を移植します。


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