肺がんの最新治療①
肺がんの標準的な治療については「肺がんの治療方法」で解説していますが、この項では肺がんの最新治療をいくつか紹介いたします。
区域切除への動き
最近では既に、どちらか一方の肺を切除する「肺全摘術」はわずか1.8%程度と極めて少なくなってきていますが、それでも標準的には「肺葉切除」が行われています。
肺葉は、右肺に上葉・中葉・下葉の3つと左肺に上葉・下葉の2つとで全部で5つあります。
しかし近年、より多くの肺機能を残す「区域切除」が行われることが増えてきています。
区域切除は、早期がんの場合に可能となり、具体的には、
- 非小細胞がん(扁平上皮がん・腺がん・大細胞がん)
- 直径2㎝以下
- リンパ節に転移がない
- 肺葉の外側3分の1くらいまでのがん
この4点が、区域切除の条件となります。
さらに、体にやさしい「胸腔鏡手術」による区域切除であれば体への負担はかなり少なくなります。
ただし、肺がんの区域切除は肺葉切除との比較が臨床試験の段階で、結果が出るのは2020年頃と言われています。
とはいえ、実際には全肺がん手術の20%を超えており、既に根付いているとも言えます。
究極の体にやさしい治療「PDT」
前項の「区域切除」を「胸腔鏡手術」は、以前と比べるとかなり体にやさしいのですが、肺の外側3分の1くらいで2㎝以下でリンパ節転移がない非小細胞がんという狭い条件です。
同じ早期肺がんでも太い気管支にできた中心型肺がんの場合には区域切除はできません。
そこで登場してきたのが「光線力学的治療(PTD)」です。
肺がんで光線力学的治療(PTD)が適応となるのは太い気管支にできた早期肺がんで、大きさは1cm以下が望ましいとされています。
この「光線力学的治療(PTD)」は、東京医科大学病院が世界で最初に開発した治療法で、専用の薬剤と低出力レーザー光線を使い行われる治療です。
専用の薬剤とは、レーザー光線に反応しやすい腫瘍親和性光感受性物質「フォトフォリン」と「レザフィリン」で、この光感受性物質が正常細胞の数倍多くがん細胞に集まる特性を利用しています。
レーザー照射の48時間前に「フォトフォリン」、4時間半前に「レザフィリン」を患者に投与し、特殊な気管支鏡の自家蛍光内視鏡を口から気管支に挿入し、光感受性物質が集まり赤く光るがん細胞に低出力レーザーを照射します。
低出力レーザーが光感受性物質に当たると化学反応を起こし、活性酸素が発生してがん細胞を死滅させるという理屈です。
1986年には保険適用となっていますが、PDTが行われる病院まだあまり多くないようです。
ご自身やご家族やお知り合いが「がん克服」を模索しておられるようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。長年の経験と実績を基にお役に立てるはずです。
がん克服事例
私が実際に受けてきた相談事例をご紹介しています。
また重複しますが、「末期がんの事例」と「現在継続中の事例」もピックアップしました。
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