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肺がんの治療方法

肺がんに対する治療として治療効果が確かめられているものは、①外科治療(手術)、②放射線治療、③薬物療法(抗がん剤治療)、④緩和医療があります。

これらの治療は効果が科学的に確認されているため健康保険で治療を受けることができます。

どの治療が良いか、どの治療を組み合わせるかは、肺がんの種類や進行度さらには年齢や元気さによっても異なります。

以下に、日本肺癌学会編「EBMの手法による肺癌診療ガイドライン2005年版」を参考に作成したフローを掲載します。(下図は主に非小細胞がんの適応で、小細胞がんではⅠ期で稀に適応となります。)

肺がんの治療方法

上の図のステージ分類については、肺がんのステージ分類を参照してください。

肺がんの手術

肺がん治療に手術が適応となるには、がんが片側の胸(胸腔)の中にしかないステージⅠ期からⅢ期の一部で、かつ病変の程度や心肺機能、患者の体力などから判断して安全に切除することが可能であるということが条件になります。

胸腔の外に転移がないかどうかについては、全身のPET検査や骨シンチグラフィや脳のCT・MRI、肝臓のCTや超音波で調べておく必要があります。

非小細胞肺がんの場合、がんの転移が近くのリンパ節にのみであれば問題なく手術は可能ですが、がんから離れた遠くのリンパ節にまで転移が拡がっている場合には、さらに遠くの部分にも転移している可能性が高いため、手術だけの治療を行うことは望ましくありません。

この場合は、放射線治療や抗がん剤治療を選択する場合と、手術と放射線治療や抗がん剤治療を組み合わせる場合とがあります。

小細胞肺がんの場合は、リンパ節転移がない場合にのみ手術が勧められます。

肺は、左右の胸腔に一つずつ入っており、右は上・中・下の3肺葉、左は上・下の2肺葉にわかれています。

通常は、これら5つの肺葉のうちで肺がんに侵されている部分の肺葉を切除しますが、肺がんの拡がりや患者の状態によってはさらに大きく切除したり(拡大手術など)、あるいは小さく切除(縮小手術)したりします。

近年では、どちらか一方の肺を切除する肺全摘はわずか2%弱と少なくなっています。

胸腔手術

基本的には胸を切り開いて手術をするのですが、最近では体にやさしい「胸腔手術」が増え手術全体の半数を超えるようになってきました。

胸腔手術は、わきの下に3~4㎝の孔ひとつと1㎝程度の孔を2か所あけ、1か所から胸腔鏡を入れ、2か所から手術器具を入れて、がん切除もリンパ節切除も行うことができます。

特に近年では、非小細胞がんで直径2㎝以下、肺の外側3分の1程度にとどまりリンパ節転移がない場合は、胸腔鏡による「区域切除」が臨床試験として行われ始めています。

傷が小さく術後の痛みも少なく、早期退院や早期の社会復帰が可能なため胸腔鏡手術を希望する患者が増えています。

2012年に前立腺がんで保険適用となった手術支援ロボット「ダヴィンチ」による手術を肺がんでも行う病院も出てきました。

放射線治療

放射線治療は、手術及び抗がん剤治療とともにがんの3大治療法の1つで、手術のできない患者の治療や遠隔転移の治療に放射線治療が行われています。

放射線治療は大別して、「根治的胸部放射線療法」と、骨や脳などへのがんの転移によって起こる症状を緩和する目的で行う「緩和的放射線療法」があります。

放射線治療の基本は「定位放射線治療」で、正常細胞へのダメージをできるだけ少なくする技術も年々進歩し、将来的には手術に匹敵するようになると期待されています。

体力が手術に耐えられないと判断されたⅢA期やⅢB期に対しては、胸部への根治的放射線療法と抗がん剤の併用療法を行う場合が多く、効果の面からは放射線治療と抗がん剤治療を同時に併用する治療が勧められています。

最近の傾向として、治療後の生活の質(QOL)の高い治療法を希望する場合も増え、放射線治療はこのような時代の要求に合ったがん治療法です。

放射線治療は、がんに侵された臓器の機能と形態の温存が可能な局所療法なので全身的な影響が少なく、高齢の患者でも安心して治療が受けられます。

日本では、放射線は怖いという印象があることと放射線腫瘍医が不足していることなどから、大変有効ながん治療法であるにもかかわらず欧米に比較すると放射線治療を受ける患者の割合は多くありません。

抗がん剤治療

抗がん剤治療は、抗がん剤を静脈注射や点滴静脈注射、または内服することにより、がんを小さくすることを目的とした治療法です

抗がん剤は、血液の中に入り血流に乗って全身をめぐるので肺に限らず肺の外に広がったがん細胞にも効果が期待されますが、同時に正常細胞にも影響があるため様々な副作用があり、大きな課題となっています。

最近では、複数の抗がん剤を個々の症状に合わせて計画的に投与する方法が進歩しており、また副作用を予防したり治療する薬の開発により副作用も軽減されつつあります。

それでも、抗がん剤だけで肺がんを根治することは今のところ不可能で、非小細胞肺がんでは病期に応じて手術や放射線治療と組み合わせて、あるいは単独で抗がん剤治療を行います。

小細胞肺がんでは、非小細胞肺がんに比べて抗がん剤治療の効果が高いため、抗がん剤治療が治療の中心になります。

分子標的治療

抗がん剤は正常細胞にまでダメージを与え副作用がありますが、分子標的治療で使われる「分子標的薬」はがん細胞の増殖に重要な働きをしている分子だけを標的とするため、正常細胞に与える影響が少なく今後の進歩が期待されています。

肺がん治療としては、「ゲフィチニブ」「エルロチニブ」「ベバシズマブ」「クリゾチニブ」という分子標的治療薬がすでに承認されています。

また、承認前の薬剤でも治験と呼ばれる臨床試験で専門病院で治療を受けられることがあります。

ただし、その場合はまだ薬剤の適切な使用量・安全性・効果がはっきりしていない段階であることと、患者自身の病状が臨床試験の対象となる基準と一致しなければ治療を受けることができないことを理解する必要があります。


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