スポットスキャニング照射
スポットスキャニング照射とは、名古屋陽子線治療センターが2014年1月から治療を始める陽子線によるがん治療です。
患部に直径5~15mmの細い陽子線をピンポイントに精密照射し、がんの部分を塗りつぶすようにがん細胞を死滅させる治療方法で、周辺の正常細胞の損傷を減らせることが大きなメリットです。
このスポットスキャニング照射ができる最先端機器は、同センターが国内で初めて治療に導入しました。
放射線治療に使われる放射線は大きく「光子線」と「粒子線」に分けられ、光子線には「X(エックス)線」や「γ(ガンマ)線」、粒子線には「陽子線」「中性子線」「重粒子線(炭素イオン)」があり、日本では粒子線のうち陽子線と重粒子線を使った放射線治療が行われています。
一般的な放射線治療として使われるX線は、体表から2㎝前後入ったところがエネルギーのピークとなり緩やかに低下するのに対して、陽子線はある一定の深さで急激にピークとなりそのままエネルギーが停止する「ブラッグピーク」という特徴があり、周辺の正常な細胞の損傷を減らせます。
これまでの陽子線治療は「ブロードビーム照射」と呼ばれ、陽子線を直径14~25cmに広げて患部に当てるため、正常組織を傷つけないように専用の工作機械で「ボーラス」や「コリメータ」と呼ばれる型枠を作る必要がありましたが、スポットスキャニング照射ではその必要が無くなり、さらに精度の高い照射が可能になるとのことです。
これらの陽子線治療が適応されるがんは、主に「前立腺がん」「肝臓がん」「肺がん」「頭頸部腫瘍」「骨軟部腫瘍」などで、それぞれの状態により照射回数が決められます。
スポットスキャニング照射は、当面「前立腺がん」の治療に用いる方針で、将来的に骨肉腫などにも広げていくとのこと。
陽子線治療のメリットは、
- 正常細胞を傷つけることが少ない
- 手術ができない部位でも照射が可能
- 体力の無い高齢者にもやさしい治療
- 外来で照射が受けられる
などがあり、多くのがん患者が利用できればよいのですが、陽子線治療は保険適用外のため約300万円の費用全額が自己負担となり、大きな壁となっています。
現在の医療財政と高齢化を考えると、陽子線治療が保険適用になるのはなかなか難しいと私は考えます。
ここで思うに、よほどの蓄えが無い限りは「がん保険」は必要なのかなぁと。
最近のがん保険では「先進医療特約」があり、毎月100円程度の増額ですから必須でしょうね。
ご自身やご家族やお知り合いが「がん克服」を模索しておられるようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。長年の経験と実績を基にお役に立てるはずです。
がん克服事例
私が実際に受けてきた相談事例をご紹介しています。
また重複しますが、「末期がんの事例」と「現在継続中の事例」もピックアップしました。
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