がんリスクと生活習慣
当サイトは「がん」に絞っていますが、私は相談薬局に勤務していますから、がん以外にも様々なお悩みについて相談を受けアドバイスしたり漢方や健康食品などをおすすめしたりしています。
そんなご相談の中で、必ず確認するのは「生活習慣」です。
「たばこは?、お酒は?、運動は?、睡眠は?・・・」色々とお伺いしています。
研究機関などが発表するデータなどもチェックしていますが、長年の経験からも相談者のお悩みと生活習慣にいくつかの相関性があることを常に感じて対応しています。
2012年ですが、国立がん研究センターの予防研究グループが、45~74才のがんや循環器疾患の既往のない約8万人を1995年から2006年まで約10年間追跡調査した結果に基づいて、5つの生活習慣(喫煙、飲酒、食事、身体活動、肥満度)と全がん発生率との関連を調べた研究結果を専門誌で論文発表しています。
8万人を10年間ですから、かなり信憑性の高いデータだと思いますね。
この5つの生活習慣を「健康習慣」として以下のように定義しています。
- 喫煙
- 過去の喫煙歴は問わず、調査期間での非喫煙
- 飲酒
- 節酒(エタノール換算で150g/週未満)
例えば、日本酒1合はエタノールに換算して23gで、毎日飲むとエタノール換算で161g/週になります。 - 食事
- 塩蔵品を控える(0.67g/日未満)
例えば、たらこ1/4腹(20g)を月に1回食べると、約0.67g/日になります。
塩分摂取量とは違います。 - 身体活動
- 活発な身体活動(男:37.5メッツ・時/日以上、女:31.9メッツ・時/日以上)
「メッツ」とは運動量のことで、1日に1時間以上の筋肉労働や激しい運動を行い、8時間以上座り、歩いたり立ったりは1時間未満で37.5メッツ・時/日になります。
また、典型的な主婦の活動として筋肉労働や激しいスポーツはなしで、座っているのは3時間以下、歩いたり立っりは3~8時間で31.4メッツ・時/日になります。 - 体重
- 適正BMI(男21-27、女19-25)
肥満指数(BMI)は、体重kg/(身長m)2 で計算します。身長170㎝(1.7m)の男性ならば、体重は61~78kgの範囲となります。
この5つの健康習慣を種類は問わずいくつ行っているかで分類し全がん発生率との関連を調べた結果を基に、今後10年間にがんに罹るリスクを計算しています。
以下の表では、5つの健康習慣を全く行っていないか1個行っている人の「がんリスク」を「1」としています。
0-1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
---|---|---|---|---|---|
男性全体 | 1 | 0.86 | 0.72 | 0.61 | 0.57 |
男性60歳未満 | 1 | 0.92 | 0.74 | 0.58 | 0.55 |
男性60歳以上 | 1 | 0.81 | 0.71 | 0.63 | 0.58 |
女性全体 | 1 | 0.86 | 0.73 | 0.68 | 0.63 |
女性60歳未満 | 1 | 0.94 | 0.82 | 0.74 | 0.78 |
女性60歳以上 | 1 | 0.71 | 0.58 | 0.56 | 0.44 |
いかがでしょうか?
10年間8万人の追跡調査のデータで、ここまでクッキリと傾向が出ており、5つの健康習慣全てを行うと、がんリスクは半分近くになるということです。
私も改めて健康習慣を見直したいと考えますね。
みなさんも、ぜひ参考にしてください。
ご自身やご家族やお知り合いが「がん克服」を模索しておられるようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。長年の経験と実績を基にお役に立てるはずです。
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また重複しますが、「末期がんの事例」と「現在継続中の事例」もピックアップしました。
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