サバイビン2B、膵臓がんで治験開始
当サイトでも「がん免疫療法」のカテゴリーで「がんワクチン療法」について解説していますが、今のところ効果が認められて保険適用の標準治療となっている「がんワクチン療法」は国内ではまだありません。
アメリカでは、前立腺がんを対象としたワクチンが2010年に承認され、日本をはじめとして世界中で研究と治験が進んでいます。
そして、2014年9月に神奈川県立がんセンターが膵臓がんに対しての「がんワクチン療法」の治験を始めることを発表しました。
そもそも「がんワクチン療法」とは、患者自身の免疫力を活性化させてがん細胞を排除しようとする治療方法で、膵臓がんや食道がんなど切除不能な進行がんへの適応が期待されています。
今回治験を始める治療に使われるがんワクチンは「サバイビン2B」と呼ばれるもので、がん抗原タンパク質を小さく断片化した分子(ペプチド)の一種です。
サバイビンはがん細胞に強く発現するペプチドで、患者にサバイビン2Bを皮下注射することで患者の体内でリンパ球が刺激され、そして増加し活性化されて、がん細胞を識別し攻撃して死滅させると考えられています。
札幌医科大学附属病院等で2012年8月から2013年5月にかけて、安全性を確認する目的で実施された第1段階の治験では、サバイビン2Bを単独で投与された患者のうち約53%でがん進行が抑えられ、重い副作用は認められなかったということです。
今回の治験は第2段階で、
- サバイビン2Bを皮下注射するグループ
- 免疫力を高める効果があると見込まれるインターフェロンと併用するグループ
- どちらも使用しないプラセボグループ
の3つに分けて効果の比較をし2016年12月まで実施するということです。
そして、次の第3段階が最終段階で、数多くの患者を対象とし既存の薬と比較して効果や安全性を確認後、医薬品として国の承認や保険適用を目指しているということですから、まだまだ時間がかかりそうですね。
ご自身やご家族やお知り合いが「がん克服」を模索しておられるようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。長年の経験と実績を基にお役に立てるはずです。
がん克服事例
私が実際に受けてきた相談事例をご紹介しています。
また重複しますが、「末期がんの事例」と「現在継続中の事例」もピックアップしました。