克服事例・相談事例はこちら

甲状腺がんの治療方法

甲状腺がんには「乳頭がん」「濾胞がん」「髄様がん」「未分化がん」「悪性リンパ腫」があり、それぞれに合わせて適切な治療方法が選択されます。

まずは、それぞれの甲状腺がんについての治療の目安を以下に掲載します。

【甲状腺がんの治療の目安】

甲状腺がんの種類 主な治療法
乳頭がん* <がんが片側葉に限局している場合>
 甲状腺葉切除ないしは(亜)全摘+リンパ節郭清
 (+周囲臓器の合併切除+放射線内照射治療)
<がんが両側葉に及んでいる場合>
 甲状腺全摘+リンパ節郭清
(+周囲臓器の合併切除+放射線内照射治療)
濾胞がん* <がんの広がりがわずかな場合>
 甲状腺葉切除+リンパ節郭清
<がんが広範囲に広がっている場合>
 甲状腺(亜)全摘+リンパ節郭清(+放射線内照射治療)
髄様がん <遺伝性の場合>
 甲状腺全摘+リンパ節郭清
<遺伝性ではない場合>
 甲状腺葉切除あるいは亜全摘、もしくは甲状腺全摘+リンパ節郭清
未分化がん 化学療法、放射線外照射治療、手術を組み合わせた集学的治療
悪性リンパ腫 放射線外照射治療、化学療法
*:がんの程度や年齢によっては甲状腺の全摘を検討することもあります。

※国立がん研究センターの冊子を参考に作成

手術治療

甲状腺の手術には大きく分けて以下の4つの方法があります。

葉切除術
左右に分かれている甲状腺の片方の葉を切除する
甲状腺亜全摘術
原則として甲状腺の約2/3以上を切除する
甲状腺準全摘術
甲状腺組織をわずかに残して切除する
甲状腺全摘術
甲状腺をすべて切除し摘出する

適用する手術の方法は前記の「甲状腺がんの治療の目安」のように、がんの種類や大きさや転移の有無などによって異なります。

声帯の運動をつかさどっている反回神経はなるべく温存しますが、腫瘍からうまく切り離すことができなければ切除します。

また、頸部リンパ節への転移があれば、気管周囲もしくは頸部リンパ節全体を切除するリンパ節郭清術を行います。

甲状腺がんの手術では、切除範囲が大きければ大きいほど甲状腺機能の低下(甲状腺ホルモンの分泌不足)や副甲状腺機能の低下(血液中のカルシウムの不足)、反回神経の麻痺(声のかすれ)など、さまざまな合併症を伴う可能性がありますが、このような機能の低下は「のみ薬」で補うことが可能となっています。

放射線治療

放射線治療とは、高エネルギーのX線やそのほかの放射線を用いてがん細胞がふえるのを抑えたり、がんを小さくする治療方法です。

放射線治療には、がんの内部またはその近くに放射線を出す装置を入れて、がんに放射線を照射する方法(内照射)と、放射線を体の外から照射する方法(外照射)があります。

甲状腺がんでは、未分化がんや悪性リンパ腫で外照射を行います。

また、乳頭がんや濾胞がんで骨などに転移した場合に痛みを抑えるためなどに外照射を行うこともあります。

それ以外の場合には内照射により治療します。

放射性ヨード内用療法

乳頭がんまたは濾胞がんの甲状腺切除手術後の補助療法として、甲状腺の組織がヨードを取り込む性質があることを応用した「放射性ヨード内用療法(アイソトープ治療)」が行われることがあります。

甲状腺がんの転移や再発などがあった場合、手術で甲状腺を全部取り去った後で放射性ヨードを内服すると、転移や再発などの部分に放射性ヨードが取り込まれて放射線を放出することで、がん細胞を選択的に攻撃することができます。

放射性ヨード内用療法に当たっては、より多くの放射性ヨードを甲状腺がんに取り込ませ、高い治療効果をあげるために、ヨードを多く含む食事(海藻類、貝類、赤身の魚、寒天を使用した食品など)の摂取を制限したり、甲状腺ホルモン薬やヨードを含む医薬品の使用を中止することが必要となります。

また、放射性ヨードを内服すると、ある一定期間、汗や唾液、尿などの体液に放射性ヨードが含まれますので、周りの家族や友人などへの被曝を避けるためにアイソトープ病室に入院して治療を行います。

放射性ヨードの値がある一定基準以下になれば退院できますが、退院後もしばらくは放射線を放出していますので、3日間はほかの人と衣類の洗濯を分けたり、同じベッドや布団で寝ない、1週間は公共の場ではほかの人と1メートル以上の距離をあけるなど、周りの人を被曝させないためのさまざまな注意が促されています。

化学療法

ほかの治療では効果がないと考えられるような「未分化がん」や「悪性リンパ腫」では、複数の抗がん剤を組み合わせた治療が行われます。

乳頭がんや濾胞がんでは手術によって効果が現れやすいこともあり、抗がん剤治療はあまり行いませんが、放射性ヨードが無効な場合に抗がん剤治療が検討されることがあります。

ホルモン療法

甲状腺がんの治療によって甲状腺本来の組織を減らしたり細胞の機能を抑えてしまい、十分な甲状腺ホルモンをつくることができなくなります。

このため、不足する甲状腺ホルモンを補い分泌を促すために、甲状腺刺激ホルモン(TSH)が分泌されるようになります。

このTSHは、甲状腺を刺激してホルモンを分泌させる大切な役割を担っていますが、同時に甲状腺のがん細胞にも働きかけてしまうことが知られています。

そこで、手術後に甲状腺ホルモン療法(TSH抑制療法)が行われ、このTSHの分泌を抑えるように十分な量の甲状腺ホルモン剤を飲むようにします。


延寿へのご相談はお気軽に

ご自身やご家族やお知り合いが「がん克服」を模索しておられるようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。長年の経験と実績を基にお役に立てるはずです。

にほんブログ村 病気ブログ がん・腫瘍へ
★上の二つのブログランキングに参加しています。ぜひ「ポチッ、ポチッ!」とお願いします。

がん克服事例

私が実際に受けてきた相談事例をご紹介しています。

また重複しますが、「末期がんの事例」と「現在継続中の事例」もピックアップしました。

[スポンサードリンク]
[スポンサードリンク]
サブコンテンツ

このページの先頭へ