食道がんにテロメライシン
岡山大学が12月6日に発表したプレスリリースによると、
岡山大学病院白川靖博講師(消化管外科)、同大大学院医歯薬学総合研究科藤原俊義教授(消化器外科学)らの研究グループは、白川講師を総括責任者として、世界初となる食道癌に対する腫瘍選択的融解ウイルス製剤「テロメライシン」を用いた放射線併用ウイルス療法の臨床研究を開始いたしました。
2013年11月29日、内視鏡で第1例目の患者にテロメライシンが投与され、12月2日より放射線治療が行われています。計画ではさらに2回、テロメライシンの投与が予定されています。
食道癌は高齢の患者の場合、手術や標準的な抗がん剤治療が難しいことが多く、低侵襲の治療開発が切望されています。研究グループでは、テロメライシンが放射線治療の効果を強めることを基礎研究で明らかにしており、今回の臨床研究でその安全性と効果が確認されれ、高齢や合併症を有する食道癌・頭頸部癌の患者への福音となると期待されます。
「テロメライシン」とは、岡山大学が開発し同大発のバイオベンチャー「オンコリスバイオファーマ株式会社」で臨床開発が進められている抗がんウイルス製剤とのことです。
がん細胞の酵素のプロモーター「テロメラーゼ」はがん細胞の不死化に関与しており、このテロメラーゼによって特異的に増殖するのが「テロメライシン」です。
テロメライシンががん細胞に感染すると、1日10万~100万倍に増殖し、がん細胞を破壊するという理屈のようです。
テロメライシンは、正常組織細胞に感染してもウイルス増殖がなく、損傷が少ないと考えられているとのこと。
また、放射線によるがん細胞のDNA損傷の修復を阻害することで、放射線治療の感受性を大幅に増強できるという特徴もあるということです。
オンコリスバイオファーマが米国で実施した臨床試験では、がん患者の投与部位での腫瘍縮小効果などの有効性が認められ、また重篤な副作用は報告されていないとのことです。
現在、臨床研究としてテロメライシンの投与を受けているのは岡山県内在住の80歳代の女性で、高齢のため手術が難しく軽度腎機能障害があり、通常の抗がん剤治療が困難ということで、承認を得て臨床研究開始となったということです。
局所麻酔下で内視鏡によって胸部食道患部を注射針で穿刺して、0.2mlずつ5か所に合計で1mlとなるテロメライシンを投与したところ、当日の一過性微熱以外に副作用はみられず、投与3日後から1日2グレイ、週5日の放射線治療を開始し、今後2回、同様に5か所ずつのテロメライシン投与を行い、放射線治療は来年2014年1月16日まで継続するとのことです。
そして、治療後3か月目に内視鏡で治療効果を判定するとともに、患部組織を採取し病理学的検討も行う予定だということです。
この記事を読んでひと言「すごいなぁ」と思いましたが、とにかく副作用についてしっかりと検証して欲しいものですね。
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がん克服事例
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また重複しますが、「末期がんの事例」と「現在継続中の事例」もピックアップしました。